雨雲の収束帯が近づいているが
今のところ山に架かる雲は薄く明るい。
「こりゃあ
下りるまで持ちやあせんか」
◆叢林のこと
三辻山への山道は
自然休養林として整備された
杉が立ち並ぶ人工林からはじまる。
「この風景もえいがねぇ」
私もそう感じますけどね。
◆草花のこと
「トリアシショウマ咲いたね」
寒地山野に自生するユキノシタ科の多年草。
高さ約60cmで葉柄が赤く鳥の足に似る。
初夏円錐花序をなして白色の小花を密に開く。
山野は花の端境期とも言える
この時期は草花は真夏の開花の準備に入る。
◆雑木のこと
山道は二次林である
木々も若い雑木の林に入る。
「この花の
かじり方は兎や」
「匂いも足跡もない
ここには鹿はおらんな」
このマタギの視点が学びとなる。
「杖塚行くろう?」
雨が降りゆうか見たいね。
遠くにて水の輝く晩夏かな 高柳重信