猿板

遊山黒子衆SARUの記録

立春の石鎚裏参道の遊山 古道

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 この道の魅力のひとつは
植林の多い四国にあって
登山口から自然林があること。

◆命の森
 四国は亜熱帯から亜寒帯まで
多くの植生が生きる遺伝子の宝庫。
この森では温帯から亜寒帯までの
豊かな植生に出会うことが出来る。

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それはかつてここを訪れた
深田久弥も指摘している。

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◆信仰の道
 鳥居を潜り始まる山道は
御神体である石鎚山頂へ至る
裏参道」と呼ばれる古の道。

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その標高1,982mの山頂まで続く
13.3km標高差1,270mの山道は
先人が積んだ石段から始まる。

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深田久弥日本百名山石鎚山
 石鎚山は四国のみならず西日本最高の山である。
我が国で最も古くから讃えられた名山の一つで
日本霊異記』にその名前があらわれている。

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この山は役ノ小角が初めて登ったと
伝えられているくらいだから
昔からどれほど多くの人が登ったことであろう。

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登山というよりお詣りであった。
古い風習が次第に消えてきたが
以前は四国八十八ヶ所の巡礼が
菜の花盛りの頃一番賑わい

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その遍路の影が少なくなると
第二の年中行事としてお山詣り
すなわち石鎚山詣りの白衣の行者姿が
おもに「伊予・土佐」の二国であるが
いたるところに隠見したそうだ。

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北側から登るのが表参道であろうが
私は南の裏側の面河渓から登った。
こちらの方が原始的な自然の姿を残している。
この道は頂上近くで表参道と一緒になる。

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◆休むところ
 いつの時代から積み始めたか。
先人の「利己」では出来ない
「利他」の信仰心を感じる
長く急な石段は大岩に至る。

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 「いい風抜けるね」

 ここで一旦急登は終わる。
今日は気温が高く汗が気持ちいい。

 休んで行こうや。

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                   落葉しつくす石鎚の神の巌  山口草堂