猿板

遊山黒子衆SARUの記録

霜降の剣山遊山 紅葉道

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 「わし道の巡回してな
   上におるけん上で会おうか」

 承知しました。
お昼済ませたら上がります。

◆崇めること
 剣山を囲む3つの地区の
各1人が道の手入れをしている。
それは仕事などではなく
永く継がれた信仰なのだろう。

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 不浄なものの侵入を禁ずる
注連縄を潜り剣山の森に分け入る。
今期毎月泊まりにかようこの山で
やっと晴天の風景に出会えそうだ。

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◆染めること
 10月頭に山頂で始まった紅葉は
標高1400mの見ノ越登山口まで下り
澄んだ秋の陽射しで樹々は輝いていた。

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 世界で唯一温帯の島国日本は
海洋気候でありながら気象の変化が激しく
四季折々山紫水明の自然がある。

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世界的に紅葉の色は3種類と言われるが
日本は27種の錦織りなす紅葉があり

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それは外来種が複雑な地形に残るためで
春紅葉でさえ淡く優しい色合いを見せる。

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◆養うこと
 豊かな四季の変化に向かい合い共に生きて
日本人独特の精神も出来て身体も出来てきた。

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そんな日本に生まれたことを
私は誇りに思っている。

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◆尾根へ登ること
 最も高い所に根を張る落葉樹
ダケカンバの森には入れば尾根は近い。

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山道は尾根を登り始め風が吹く
風が強い谷筋には森を守る樅がいる。
自然はその地形に応じて住処を分ける。

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秋の陽射しが降り注ぐ笹原に出れば
山神様が待つ西島尾根が目の前に座る。

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               かざす手のうら透き通るもみぢかな  大江丸