登り始めの急登は
5㎝ほど柔らかい新雪が敷かれ
アイゼンを履くことはなかった。
◆分け入る
やがてミゾレは雪に変わり
気温は-2度シェルを着て
ちょうどいい気温だった。
◆若い森
山道は頂上部の稜線まで
植林と自然林を交互に抜け
自然林とは言え木々は若く
人が関わった山である事を知る。
しかし人間も自然の一部で
それは自然の破壊ではなく
日本人は自然に頭を垂れ
上手く寄生し生きてきた。
◆防火帯
植林を山火事から守る
防火帯手前で一本立てた。
それは急な斜面の直登の前に
溜まった熱を逃がすためでもある。
いつもは暑さ、寒さや
足下の悪さで苦戦するが
締まった斜面に積もった
新しく抵抗がない春の雪は
登山靴のソールが効いて
サクサク登ることが出来た。
「もう稜線?」
気温も程よく汗掻くことなく
あっさり登ってしまったようで
それほど程よい気象だった。
春の雪しきりに降て止にけり 白雄