「うわぁ きれい～！」
雲の中にある稜線に上がり
山猫さんが歓声をあげる。
◆自然の懐
双耳峰である国見山
そのなだらかな山頂部は
ブナなど広葉樹林が根を張り
今日は白い姿で迎えてくれた。
◆白い世界
霧氷は細かい枝の全てと
樹皮にも纏い付く白い世界。
氷点下で発達した針状の結晶に
細かい新雪が付着した造形は
今シーズン初めての風景で
幾度通っても同じ風景はない。
そして天から舞い降りる
雪を見れば大人も子供に返る。
温かい内海瀬戸内海を前に
四国山地の北にあるこの独立峰は
霧氷観察の絶好のポイントだろう。
◆夢の中
植林が及ばなかった
頂上部は山毛欅などの大木が
私達を見下ろしている。
時折薄日が射し
天に向かい広げた枝の霧氷が輝き
吹き上げがあればキラキラ舞い落ちる。
この静かな風景は
夢の中の出来事のように思えた。
◆雲の中へ
今日はペースが速く
時間はたっぷりあるから
頂上に登ってみようや。
頂の白い風景も
たまにはいいものだ。
こまやかに咲きことごとく樹氷林 大橋敦子
