猿板

遊山黒子衆SARUの記録

朴の家の遊山2013 転

柞を抜ける

 標高約1.550m丸山荘を過ぎ
1,700m付近まで生きている
ダケカンバの森を抜ければ
四国らしい笹原に飛び出します。
◆冬の空へ
 ここは厳密には森林限界でなく
山火事などで森が失われた後
森が回復に向かっている過程だと
謙さんに教わりました。

今は立ち枯れたダケカンバだけが
ここがかつて森であった事を
静かに語ってくれています。

◆雪の中へ
 この笹ヶ峰は四国で
最も雪深い山の一つであることも
彼から教わったこと。

「東西に尾根を張る笹ヶ峰
 北からの雪をまともに受けて
 下った雪を沓掛山が再び巻き上げ
 北面に雪が吹き溜まるのです。」

◆冬の頂へ
 瀬戸内を渡った雪は
水分を増しこの山に巻き上がり
また海に還る事を繰り返す。

雪崩れもその自然の中にある
一つの現象に過ぎないのでしょう。



「雪崩れも人がいなければ
 美しい自然現象なんですよね」


                 
 そんな事を笑って語り
人工雪崩を作って遊んでいた
謙さんの居場所はもうすぐです。



                         櫂あらば冬青空へ漕ぎ出でむ  嶋田麻紀