標高約1.550m丸山荘を過ぎ
1,700m付近まで生きている
ダケカンバの森を抜ければ
四国らしい笹原に飛び出します。
◆冬の空へ
ここは厳密には森林限界でなく
山火事などで森が失われた後
森が回復に向かっている過程だと
謙さんに教わりました。
今は立ち枯れたダケカンバだけが
ここがかつて森であった事を
静かに語ってくれています。
◆雪の中へ
この笹ヶ峰は四国で
最も雪深い山の一つであることも
彼から教わったこと。
「東西に尾根を張る笹ヶ峰が
北からの雪をまともに受けて
下った雪を沓掛山が再び巻き上げ
北面に雪が吹き溜まるのです。」
◆冬の頂へ
瀬戸内を渡った雪は
水分を増しこの山に巻き上がり
また海に還る事を繰り返す。
雪崩れもその自然の中にある
一つの現象に過ぎないのでしょう。
そんな事を笑って語り
人工雪崩を作って遊んでいた
謙さんの居場所はもうすぐです。
櫂あらば冬青空へ漕ぎ出でむ 嶋田麻紀