猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の日々遊山 tochikoの醤油差し

汐干狩

 汐干狩が始まった須崎港の浅瀬。
子供の頃の懐かしい思い出が蘇る
日本らしい春の風景を眺めています。
◆野見湾へ
 ウチの食卓に並ぶ料理を盛る
tochikoが何より気に入っている器を求め
須崎市の漁港野見湾を訪れました。

◆うつわ日月
 人間国宝の元で陶磁器を学んだ
東京生まれの陶芸家小坂明さんが
野見湾を望む半島に居と工房を構えた
「うつわ日月」を2年ぶりに訪れました。

武蔵野美術大学で講師を勤め
日本クラフト展の審査員を経て
後進の育成にご尽力された小坂さんの器。

そのどれひとつ取っても
奇をてらうことのない
真っ直ぐで楽しい道具ばかり。

◆大切なもの
「この震災で全て流されてしまったよ。
 ものつくりの文化ごと流されてしまった。」
「この前もね。香川の若い陶芸家が
 自ら命を絶ってしまったんだ。」

 いま高知県の半数の世帯が
100円の食器を使っていると
小坂さんは遠く海を眺め語る。

「同じもの買うのに高いより安い方が得」
お金だけが尺度の人生が本当に幸せなのか?
庶民のお金も仕事も他国に流れている
日本の子供達の将来はどうなるのか?

 今回tochikoが割ってしまった
同じ醤油差しを買い求めました。
何年も一滴の醤油も零さなかった
あの道具がまた食卓に帰って来ます。

                    置きし物遠くなりたる汐干狩  八木澤高原