猿板

遊山黒子衆SARUの記録

和宏花巡礼「猟師の聖地」 前編

山猟師の聖地

 夏の和宏さん花巡礼は
山猟師Kさんお勧めの山から始まります。
◆藤のこと
「河童ちゃん。今年は花が多いねぇ。」
県道沿いの渓谷に沢山垂れる藤の花に
クマバチ達が忙しそうに飛び回る羽音が
読経の様に谷間に響いていました。

◆猟師の目
 植林と自然林が混在する山の
山腹を目指し分け入りました。

それは登山道から外れたところにあり
Kさんが猟師の勘で見つけたところ。

◆山芍薬の聖地
 山道からガレた急斜面を這い上がった
この領域全部で数百株はあると思われる
一面ヤマシャクヤクの白いお花畑でした。

ボタン科ボタン属の多年草。根は薬用になり
花の姿も美しく顔佳草(かおよぐさ)の別名を持つ。
中国では「花の王」と牡丹と対比され
「花の宰相」と呼ばれる「山芍薬」。

◆歌うが如く
 その開花一つ一つを確かめる様に
レンズを向ける猟師に見つめられる
人知れず咲き誇るヤマシャクヤク

雨上がりの空気を深呼吸するように
瑞々しい若葉を力強く広げ
天に向かい歌うが如く咲いていました。
  芍薬のうつらうつらと増えてゆく  阿部完市