猿板

遊山黒子衆SARUの記録

かわずの四方山話 思い回す

槍が岳

ネタに尽きると
過去をこねくり回してしまいます
年かなぁ・・・
すいません。今回も過去ネタです。

学校は放校になり、定職にもつかず、フラフラしていた20代。
特に目的もなく北アルプスを徘徊しておりました。

五色が原という場所があります。
立山薬師岳のほぼ中間地点に位置しており、北アルプス中もっとも広い平坦部。
テント場もガレ場ながら100張りは張れるでしょう。

西穂高岳〜槍が岳〜三俣蓮華岳黒部五郎岳薬師岳〜五色が原
なんとなく単独行。
五色が原に到着は確か14時30分頃。
広大なテント場に自分だけ。
こう見えて意外と怖がりなんです。

「一人でテント張るの嫌だなぁ〜」
なんて思ってた矢先に黒部湖から登ってきた単独行者が一人。
年恰好も自分と同じくらい。
「よかったら、隣にどうぞ!」
ビールまでおごったりして・・・
結果、その夜はテント場に2つ並んだソロテントのみ。
21時頃まで四方山話で盛り上がり各々就寝。

ひゅ〜ドロドロドロドロドロ・・・
時刻ははっきり覚えていないが、テントの周りを歩くドタ靴(昔ながらの山靴)の音で目が覚めた。
五色の小屋から10分ほど離れたテント場です。
「はて?小屋泊まりの人が夜の散歩?」
けど、ヘッドライトの明かりがない。
「隣の兄ちゃんが小便かな?」
・・・長い。
感覚として10分ぐらいはテントの周りをぐるぐる歩いてはる(なんで関西弁やねん)
「この世の人じゃないかも・・・!!」
足元がテントの入口。
「足元で足音が止まったような、えっ!来る!!」
・・・
また歩き始める。
「もう無理。寝る。絶対寝てやる!」
寝れました。朝まで熟睡しました。

あれは、いったいなんだったんでしょうか?
日常生活では、無意識の中で、常に五感は人的な何かを捕らえている。
進行方向とは逆の信号機、喧騒、排気ガスの臭い、電車の音、などなど。
ところが、山の中では何かが違うような気がする。
目で花の香を感じたり、肌で風の音を聞いたり。
世の中、人間が一番偉いと錯覚させる下界。
人間も自然のほんの一部と実感させられる山。
我々が理解できないモノや出来事があって当然。
五感で感じる快感も捨てがたいが、第六感・第七感に響く快感を忘れることができない。
山歩きの魅力とは、意外とそんなところにあるのかもしれない。
うん!このネタイイね〜。第2弾しよっと。