猿板

遊山黒子衆SARUの記録

晩夏に入る三辻山遊山 夏の風

                             

 苔むした石積が支える杣道は
工石山の南山麓の集落から始まり
山域の幾つかの峠を繫いだ古の道。

◆杣の道
 そんな山中を歩く道で
この祠のあった大岩は
時に激しく変化てきた森で
確かな道標になったろう。

◆海を観る

 「風がぬるいね」

 特に伐採跡で解りやすいが
暖まった空気が山に添い上昇し
積乱雲となって荒天をもたらす。

これが石鎚山系の稜線の上に
浮かんでいた雲が出来る仕組み。

 特に夏の稜線は要注意。

     「行かんし」

           

◆森の中のもう一つの森

 「ここは涼風やね」

 杣道はこの森のまほらと感じる
工石山山系主稜線にある窪地に降りた。

 ここは風が北から昇るから。

 「さあ おしまい」

この寒暖のぶつかりで
落雷や突風が発生する。

 この時期の山は慎重に。

                 

◆かえり道
 全ての生物の運動エネルギーは
低い気温に熱を逃がして得るもので
人は汗を掻き気化熱を奪って冷まし
他の動物は涼しい処でじっとしている。

ただ全ての動物は脂で出来ているため
低温では固くなり血流を阻害し凍傷になり
体温が上がると溶け出し機能不全に陥るから
他の動物は涼しい夜行性の行動が多い。

                                           

また戦前日本は乳児死亡率を除けば
平均寿命60歳で戦後の急激な長寿化は
乳児死亡率を激減させた医療の進歩で
日本人の身体が進化したわけではない。

なので人は60歳寿命の設計と考えられていて
50歳を過ぎれば細胞の劣化(老化)が加速し
山登りにしても暑さや運動負荷も考えないと
癌などで余命を縮めるとのデータは少なくない。

                                                   

 そんな夏の暑さによる身体の障害は
紫外線より内部から破壊が起こるから。

 「気持ちいい汗掻いたね」

 雨には雨
夏には夏の遊山だろうな。

                                           

 「暑かったろう
   来週から冷麺はじめるきね」

 「河童ちゃんの好物やね」

   新メニュー炒飯もね d(^_^)

                どの子にも涼しく風の吹く日かな  飯田龍太