猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初夏の奥物部の森遊山 鳥の音

                       

 「柔らかい陽射し」

 開いたばかりの葉は陽を透かし
森の空気まで若葉色に染めている。

   緑が身体に染みいるようだなぁ。

◆深い懐のこと

 「囀りが気持ちえい」

 まほらの中心に根を張る沢胡桃。
根元を流れる渓水も軽やかな音を奏でる。

   静寂という音もあるよなぁ。。。

◆渓を溯ること
 この日も登山道は使わずに
渓を登り森の母に会いにゆく。

 「ミソサザイ頑張って歌いゆう」

まだ万能食用菌もいてくれたな。

 渓筋は多くの命が棲むところ。

                 

 それは若い頃の前衛的な
沢登り」では見えなかったもの。

 たまには沢歩きもいいものだ。

◆Mother tree
 沢を詰めて大木の森に上がる。
その中でも一際大きい森の母は
ヌル谷が出流ところを護っている。

 「花はまだやね」

 森のシャンデリアは
次のお楽しみでえいろう。

 「囀りがいっぱい」

 幾多の命をその身に宿す
本の森は夏の空に若葉を広げ
今日も彼女を迎えてくれた。

                             

 お母さんの木陰で
お昼を食べて帰ろうや。

◆かえり道
 高木は100年位背を伸ばし
中木は20年位だと言われていて
その後は枝を横に広く伸ばし始め
背の低いものを護る樹形になる。

                 

それが樹々が高くなる成長の限界
人間の身体も同じで例えば日本人は
かつての平均寿命45歳から以降は
身体を作るのは困難と言われている。

なので僕らは樹々の生涯のように
高く伸びる時期を過ぎたこれからは
素直に枝葉を横に広げ多くものを観て
感じる余生を楽しみたいと考えている。

 ただいま帰ったよ。
これからも旅を共にする愛馬くん。

                                                       

 「物部は寒かったでぇ」

「ほんでやおか
   春紅葉が良かったでぇ」

 楽しそうやね。頂きます  (^_^)

                    鳥の音に誘はれ入るや山滴る  大野林火