猿板

遊山黒子衆SARUの記録

春分の三辻の森遊山 吹雪

                                                       

 「雲が下りて来た」

 雲の切れ間がなくなった。

今日は午前中に下山と見た
空読みは無難だったようだ。

◆寒気を見る

 「アラレっぽいね」

雷を発生させる電荷の分離は
雲中でアラレと氷晶の衝突で
発生すると考えられている。

 アラレだな。

粉雪に霰が混ざりはじめた。
そろそろ今回の寒気の本体は
四国山地主稜線を越え始めた様だ。

           

◆森の中のもう一つの森
 今年度の休日遊山も
天候で中止なく入山できた
それは空を読み見定めた結果で
確実に二人の山力となった。

 この先迎える第二の人生は
曜日に関係なく山に入れるので
晴れ間ばかり狙うことも出来る。

 でもそれじゃ楽しくない。

                 

 杣道は僕らが感じる
この森のまほらに入った。

 静かな平日で曜日を定めて
あれこれ考える方が楽しいだろうな。

◆寒気到達

 「凄い風やね!」

 このまほらは稜線の鞍部
渓筋の頭にあり風が吹き上がる。

 瞬間15mいきそうやな。

                             

 落ち葉も舞い上げる強い風が
北から三辻山に叩きつけはじめた。

 この内山では楽しい気象現象だが
北の主稜線はブリザードだろうなぁ。

◆かえり道

 「今週も雪山やったね」

 四座と山小屋一つの選択で
空と地理地形を読んで雪外れなし。

 観測される方々にも感謝だよ。

                                         

 「キューキュー
     木が鳴きゆう」

 強い風に揺さぶられ幹どおしが
擦れて鳴き声のような音を奏でる。

   この音好きだなぁ。。。

                                                 

 「これが
   名残の雪になるろうか」

 まだ寒の戻り
   花冷えがあるかもね。

 「来週 県道の桜咲くろうか」

 それも同じ山通って見える風景
順番は僕らが決めることやから
来週も三辻来んといかんろうね。

                 吹雪く中に嶺はも現はれ神かとも  高田蝶衣