待っていた小屋開けの日
そこには会いたい人がいる
お帰りなさいと声をかけてくれる人がいます。
そこから頂上ヒュッテを目指し歩く道は
山神さまと一緒させていただきました。
ヒュッテが近づいたとき
見上げれば半月の月と
薄い雲が柔らかいシルエットを描いていて
夕食が始まる頃には
西の空が茜色に染まりました。
温かい時間を過ごしながら
このような景色に出会えるのも山小屋があればこそ
登ってきた日とは打って変わった空模様の朝
流れの速い雲を眺めながら
心温まる山小屋で過ごす時間はとても大切な時間でした。
いのち負ふ如くにも負ひ登山の荷 後藤比奈夫