猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬の家から遊山 秋草

                       

 山頂で他の登山者と
挨拶を交わした高見山を後に
草原状になった鞍部に下った。

◆高見を下る

 「この高度感もいいね」

足下に私の住む街が広がる下り道。

 僕もこの風景が気持ちいいと思うな。

 山高きが故貴からず  かな。

◆自然というもの

 ずいぶん茂ったなぁ。。。

 2017年3月の山火事で
一面焼け野原となった高見山
元より元気な草たちに覆われていた。

                 

 日本ほど植物が豊富な国は
土を剥いでもすぐ草が生えるように
多くの種子が常に大気中を浮遊している。


                      =2017年4月1日=
 「鳥と風が運んでくれる」

また土の世界は大気中と違って
山の土にはスプーン1杯で
数億の微生物が生きている。

                       

 南方のジャングルもそうだが
森林火災で一旦自然を失ってから
後に植生が豊かになるのは実証済み。

 自然に人の保護が必要だろうか。

 「これはノジギク

野生はホント強いものだ。

                      

 四億年を超え生き残った植物が
人による500年足らずの産業化で
どうかなるとは私には思えないなぁ。

里山の森
 高見山から鞍部へ下り
再び入った薄暗い雑木林はかつて
落葉や草木も人が利用していたと言う。

 「ここも変わった」

                                     

 通い始めた頃あった畑跡は
草木に覆われて面影もないが
放置されれば命の絡合が始まり
やがて調和が取れた森に還ってゆく。

◆鷲尾山に入る
 目指す鷲尾山に取り付き
戦後植えられた杉檜の林で
日陰を好む植物が迎えてくれた。

                                     

この継いできた命たちも
人の手など必要としない
自然の強さを感じる。

 

 さて
   最後の登りやな。

               あきくさをごつたにつかね供へけり  久保田万太郎