「ここ涼しいで」
「真名井」とは神聖な井戸のこと。
その中でも最上級の敬称が「天の真名井」
◆真名井の滝
修験場であった滝の鎖場を登る。
古来日本人は清水湧き出すところを
神聖な場所として大切に祀ってきた。
真名井の滝の滝頭にあがる。
権化とは神仏が衆生済度のため
姿をかえてこの世に現れることを言い
この清水出流大岩は権現様だったのだろう。
◆権現様に上がる
真名井の滝頭から大岩の
天辺に上がる急なルートを登った。
大岩の天辺には東屋があり
一本立てることとした。
ここは大岩を駆け上がる風が
いつも吹き抜け気持ちがいい。
「汗が引くね」
汗は熱を冷ましてくれる。
◆山のまほら
大岩と稜線の間にある紅葉谷が
この山のまほらだと私は思っている。
人間は四角い環境にずっと居ると精神がおかしくなると言う。
それは私も仕事で精神を病んだ方や認知症を患った方が
四角い部屋に入って症状が悪化することを多く見てきた。
また程よい発汗は精神を安定させ汗腺も鍛え
体温を上げることで抵抗力が上げる事も解ってきた。
なので無理をしない山歩き程度の運動を続けることが
身体にとってよいことだと感じている。
◆稜線に出る
最後の階段を登り稜線に上がる。
この時季節の囀りと蟬時雨が
私達を迎えてくれたように感じた。
「気持ちよかったね」
私は都会に住む人ほど
この本当の自然で汗を掻いて
接する事が大切ではないか思う。
秋の空色に夏雲が浮かぶ。
これから入る秋の長雨も
ずっと繰り返してきた恵み。
さあ来週末は雨の遊山かな。
去るものは去りまた充ちて秋の空 飯田龍太