切り立つ大岩の間を下る
真名井の滝は修験場だった事を
滝頭に上がる鎖が今に伝えている。
◆大岩に上がる
鎖場を階段で上がった
滝頭は箱庭の様に枝葉を配し
紅葉はいい風景を見せるだろう。
◆渓へ下る
真名井の大岩の上に東屋があり
一息つけた後この森のまほらに下った。
眼下に見える紅葉谷は
大雨で水量を増し白く下る。
山道が下りた渓の河原は
岩清水の底に沈んでいた。
以前昼に腰掛けた河原まで
清水が満たし木陰を写している。
いい風景だなぁ
雨が降ったら濡れたらいい。
水没してたらザブザブ渡ればいい。
雨も大水も必要な自然現象だから
嫌なら街にいればいいだけさ。
◆稜に上がる
暑いときの激しい運動は
免疫力を下げることは医学の合意。
海で生まれた地球上の動物の殆どは
脂で出来ているから仕方がない。
寒気が南下しはじめ陽が傾き
暑さ極まり秋兆す処暑は秋雨の頃で
前線による長雨は山も森も冷まして
菌類が目覚め樹々は冬眠の準備に入る。
稜線に上がる階段を登り
森を抜け開けた秋澄の空は
四国に秋の訪れを告げていた。
◆かえり道
今日も山頂へは行かず
稜を歩いて鳥笛を鳴らし森を見る。
そんな四季折々の楽しみ方がある
日本に生まれて良かったと思う。
さあ暑さ寒さも彼岸まで。
秋風吹いたら稜線に上がろうか。
残暑お見舞い申し上げます。
鳴く鳥の上枝移りに秋澄みぬ 瀧澤和治