「花は終わったね」
自然には同じ木が3本並ばない。
人が考える環境には多様性がないから
自然を理解するには時間がいるのだろう。
◆峠に下る
人が整備した杖塚を下り
赤良木峠に向かう道に入る。
峠は風が集まりぶつかるため
再び雨が降りはじめた。
◆峠道
海岸から600km離れると
雨を降らせる雲が届かない。
600km入っても雨が降るのは
健全な森があるからだ。
森は葉を敷き詰めると
膨大な面積を持ち夏には1平方Kmで
2500立方mの水が吸い上げると言われる。
だから森では水の循環がよくなり
その水蒸気から雲が作られるから
人が切り払い森を失った大陸内部では
雲がなくなり砂漠化してきた。
◆近道
赤良木峠から植林のための
作業道に入り三辻山を目指した。
かつて欧州は木を焼いて作った
煉瓦を用いて建物を作ってきた。
日本にも何度か煉瓦が入ってきたが
湿気が多い日本の風土に馴染まず
やはり木と土と草で建物を作ってきた。
それは燃料とした薪取り合わせても
その需要は間伐程度で十分賄えたから
結果森を健全に保つこととなり
日本人は森と共に生きることが出来た。
◆赤良木園地
葛籠折れの作業道は
三辻山への登山道に入る。
合流して程なく
忘れられた昭和の園地に下る。
「綺麗やね」
明るい薄雲の中
野鳥の声もよく響く。
夢の中みたいやな。
夏霧に濡れてつめたし白い花 乙二