「空木も終わりやね」
幹が中空なための名。
初夏に球形の朔花を結ぶ
ユキノシタ科の落葉低木。
◆雨を見る
「誰も・・
居るわけないか」
雨もよしとすれば
静かな山行が楽しめる。
私達は雨の日は天候のほか
通い慣れた山の地形と風を見て
「傘差し」て歩ける山を見定める。
◆林を見る
弱い雨雲から薄日射す
登り始めの杉林の草たちは
緑も濃くなり鬱蒼としてきた。
花の役目を終え
ガクを落としたウツギや
雨を纏うテンナンショウが美しい。
「葉っぱが浮かび上がる」
足下に低木の葉が薄日を透かす
この叢林も日本らしい風景だなぁ。
◆落花を見る
山道は杉の植林を抜けて
鬱蒼と茂った二次林にはいる。
「これなんの花やろう」
ここでも花筵に出会った。
これも今日の一期一会だろうな。
◆林床を見る
かつて人の手が入ったが
また安定に向かう林床の花は
山紫陽花などの夏に移ろう。
「杖塚行くろう」
雨が止んだ。
一息つけろうや。
「アカガエル！」
雨が嬉しいんだろうね。
手をついて歌申しあぐる蛙かな 宗鑑
