この頃はキブシが目立つ。
山地に生ずるキブシ科の落葉小高木。
春に葉に先立ち多数の黄色花を穂状に垂らす。
果実を黒色染料とし、材は杖・柄・楊枝などとする。
◆静かなこと
私達だけの登り口の気温が11℃。
家を発つとき空を覆っていた雲は開き
眩しい春の陽が射し始めていた。
みんな行き先はメジャーかな。
今日は陰影の風景に期待かな。
◆芽吹くこと
登り始めは杉木立に入る。
杉は落葉せず林床は薄暗いが
陽射しを好まない植物が根を張る。
「はじまったねぇ」
先回まだ固かった越冬芽から
瑞々しい若葉が開き始めていた。
こんな変化を追うことが
この上なく楽しいと感じている。
目について目について
ちっとも先に進まない(苦笑)
◆芽生えること
山道は杉の林を抜けると
雑木林に春の晴天下にはいった。
陽が届く落葉樹林の春は
大地の草の芽生えからはじまる。
「ヤマネコノメは解るけど
エンレイソウがはや出ちゅうで」
◆萌えること
今年は桜も10日ほど前倒しだが
例えば平安時代はもっと暖かかく
京都でも雪が降らなかったから
外に廊下がある寝殿造りが出来た。
苔も萌え萌えしてきたな。
「杖塚の躑躅も萌え萌え」
一本立てていこうか。
美しく木の芽の如くつつましく 京極杞陽