猿板

遊山黒子衆SARUの記録

啓蟄の三辻山遊山 芽吹き

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 全国初の「自然休養林」に指定された
工石山は登山道や園地などが整備され
この日いつも静かな登り口の駐車場は
トレランイベントのため満車に近かった。

◆賑わうこと
 最近「流行」のトレールランニングは
登山者とトラブルになっていると聞くが
私は「お互い様」「人の嫌がることはしない」
先人の心に立ち返り双方考えて欲しいと思う。

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◆共に生きること
 大陸から隔たれた島で生きて来た日本人は
自然を神としてジィ~と見つめて生きてきて
遺伝子に刻まれた「個」は個のためでなく
「群」のために生きている事に気がつけた。

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そして自然より人間が偉いと考えた
宗教がないと善悪の区別が付かない他国と違う
「利他の心」を得られたと思っている。

 杉林も芽吹いてきたね。

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◆寒さ緩むこと

 「カンタロウや」

 節は冬のあいだ土の中に
巣ごもりしていた虫たちが
目ざめ活動を始める啓蟄に移る。

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山道は薄暗い杉林を抜け
大地に陽が届く落葉樹林に入る。

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高木の下に生きる中低木の
越冬芽が膨らみはじめている。

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 「ウバユリやね
   これはスミレの葉と思う」

 森の春は大地からはじまる。

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◆一息つけること

 「杖塚あがってもうや」

 緩い勾配の葛籠折れを登り
躑躅の植林に至れば空が開く。

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工石山南斜面に開けた
休養林の広場杖塚で一本立てた。

 思ったより風が穏やかやね。

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 「見て見て!
   土佐水木の芽が膨らみゆうで」

 自然の暦は正確だ。
これから森は賑やかになる。

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啓蟄の雲にしたがふ一日かな  加藤楸邨