雲纏う風景や桜の撮影など
寄り道の時は小雨だったが
登山口に着いた途端雨は止んだ。
◆林道のこと
今日は昔の記憶を辿って
工石山の山腹にある杖塚から
三ツ辻山を目指してみることにした。
歩き始めの林道は日当たりがよく
芽吹きがはじまりキブシが咲いていた。
一見実のように見えるキブシの花も
スプリング・エフェメラルだろうな。
◆人工林のこと
工石山と三ツ辻山の登りは
杉檜の人工林からはじまり
林床に生きる中低木や草花の
目覚めが始まっていた。
この杉林や林道などは
本来あった極性林を人が切り開き
本来の自然をなくした森だが
その様な場所は植生が豊かになる。
植物など生き物の住処は
条件の良い場所は強い種が占領し
弱い種は厳しいところに追いやられる。
なので「生物多様性」というのなら
山火事などのリセットは良いことで
原生林の植生や生態系は単調だが
新しい外来種の侵入は殆ど観られない。
◆二次林のこと
山道は一旦雑木林に入る。
ここは山火事や伐採などで
原生植生(一次林)が破壊されたあとに
生じる二次林と呼ばれる若い森になる。
ここは薄暗い植林と違い
日当たりが良く植物の種類は多い。
例えば棚田など里山風景だって
原生の自然を破壊し人が造った環境だが
そこには新たな生態系が生じてきた。
人間も自然が作ったものだから
「自然破壊」などと目くじら立てず
先人と同じように自然に寄生して
仲良く暮らせばいいと思うがどうだろう。
ひたひたと夢のつゞきの木の芽山 矢島渚男