いつもの杖塚で一本立てた。
この「一本立てる」は昔の山屋の言葉で
リュックの下に杖を立て「休憩する」の意。
◆峠に下る
杖塚で休憩した後
三辻と工石山の鞍部になる
赤良木峠に下る山道に入った。
◆赤良木峠
かつて人の往来があった
標高標高951m赤良木峠に出る。
普段風が集まるこの峠は穏やかで
澄んだ冬の空気で眺望も効いた。
「あれ石鎚でねぇ」
そうやね真っ黒やね。
このドピーカンでは
霧氷も雪もないようだ。
◆近道する
赤良木峠から三辻山頂までの
ショートカットルートに入る。
北面の暗い人工林の急な道を登り
広葉樹に覆われた稜線にあがれば
山頂直下の赤良木園地に辿り着く。
今日は穏やかやし
久しぶりに頂上へ行こうや。
◆空に出る
「気持ちえいねぇ」
家から2時間半で
標高1108m三辻山山頂に立つ。
「見て見て
太平洋が光りゆうでぇ」
東に目を向ければ
室戸岬まで見て取れる。
ひねもすのたり のたりかな
ここはホントいい山だよなぁ。
身も透くやただ一望の冬の海 中村苑子