「まだツリフネが咲いとる」
ツリフネソウ科ツリフネソウ属
山地の湿った所にはえる一年草。
花は葉の下に隠れるように咲く。
◆傘を差すこと
登り口に着いたとき
霧雨は殆ど霧に変わっていたが
風が吹く度梢の雫が落ちてくるため
傘を差して登りはじめることとした。
◆林道のこと
「これは何の実ですか」
ウバユリはユリ科の大形多年草
山野の林下などに生じ7月頃
茎頂に2~4個の緑白色の花を開く。
自然を排し人が拓いた林道は
日当たりと風通しがよくなり
自然林より植生が豊かになる。
◆人工林のこと
それは植林も同じことで
きちんと手入れを続ければ
多くの草木が根を下ろす。
「ジンジソウが咲いたわ」
ユキノシタ科の多年草。
晩秋に花茎上に5弁の白花を開くき
下の2弁は長大で「人」の字に似る。
◆二次林のこと
ほどなく山道は山火事や
伐採などで原生植生(一次林)が
失われたあとに生じる二次林に入る。
「これヤマシキミですよね」
ミカン科の常緑小低木。
山地に自生し春に芳香のある花が咲き
果実は晩秋赤熟して美しい。
「花も多くて
いい山じゃわ」
まだこれからですよ。
もう傘は要らないようですね。
野の秋へ鈴ふるやうに花の咲き 岩津厚子