さあ行きましょうか。
展望所での一休みのあと
「尻見坂」と呼ばれる
急な石段に取り付いた。
◆信仰の力
「よくこんな高い所まで
この石を荷揚げたもんやね」
先人の信仰心を身をもって感じる。
◆信仰のかたち
息を弾ませて坂を登り終え
いよいよ聖域に入ってゆく。
大日如来の祠が座する
御在所山は信仰の山で
その歴史は江戸中期に遡る。
◆仏の座
2体の鳥の石像が並ぶ
山頂の直下の平坦地に上がる。
この山には狛犬の他に
鳥が守護獣として祀られている。
「四国八十八霊場寫所」
霊場を写したという道標の先に
江戸の年号が刻まれた仏様がいらっしゃる。
阿弥陀如来、大日如来など
番号が刻まれた仏様は
おそらく八十八体あるのだろう。
私はこの仏様にお会いしたいから
この山に通っているのかもしれない。
誰かに似せて掘ったのか
どれ一つとして
同じ表情のない仏様たちは
それぞれいいお顔をしていらっしゃる。
遠来のもののごとくに仏の座 鷹羽狩行