猿板

遊山黒子衆SARUの記録

台風一過の梶ヶ森 出流

滝へ下る

 水音が聞こえる。
私達は大蛇に化身した娘が
住んでいると言われる滝に下る。


◆滝のこと
 轟々と流れ落ちる龍王の滝
頂上付近より湧きだした水が
巨大な岩を削り落差20mを下る。
台風の後でもそれほど増水していない。



                 
それは落葉樹林の
保水力のお陰だろうか。
森は山里も守っているのだろう。



◆遡ること
 沢を遡る。
この沢に沿った山道が好きだ。



 太陽の光が海の表面を照らし
真水が蒸発し上空で冷えて雲になる。
                   
 雲になっただけでは水滴が小さいが
風に流され山にぶつかり上昇し
水滴が発達し重さに耐えかねて落ちてくる。



◆水の国日本
 最初は小さな流れだが
他の水と合わさったり
地下水と合流したりして
沢となり川となる。
                   
川の畔には木々が生え
川の中には魚が泳ぎ
木々には鳥が囀り
川辺には花が咲く。



そして川は長い年月をかけて山を削る。
川は山の出現と共に誕生し
土砂を運びきるとその役割を終える。
 私も川に命を感じる。


                


  滝壺を流れ出て水無傷なり  津田清子