猿板

遊山黒子衆SARUの記録

和宏さんの花巡礼「西赤石山」 稜線の風景

カラマツの若葉

 唐松の若葉が迎えてくれた。
日が当たり乾燥した場を好む
日本で唯一落葉するこの針葉樹は
ここを造林する際植えられたもの。
◆夢の跡のこと
 標高が上がり稜線に近づき
次第に森の風景が明るくなる。



 「だいぶん茂ってきたね」
この山麓に夢を持って懸命に生きて
ここで亡くなった先人を祀る蘭塔場は
今では静かに山に還りつつあります。
                     
◆高い人格のこと
 この世界最大級の銅の採掘は
確かに住友財閥の礎を築きました。
 でもそれは利益追求だけの
心だけだったのでしょうか?

ここで生きた多くの庶民達は
今も破られぬ人類最深部まで潜り
命をかけて銅を採掘した。


           
当時植民地支配を進める欧米列強に
命を擲って戦った前線の兵士を含め
この先人の心がなかったとしたら
今の日本、世界地図はどうなっていたか?



いま祖先をどうしても犯罪者にしたい
反日日本人の方々に聴いてみたい。


                  
◆馬酔木が咲くこと
 「馬酔木も躑躅
   今年は当たり年やね」



 そうですね。


私にはこの山を染める花達は
ここで静かに眠る魂たちへ
手向ける花の様に見えます。
                 


  仏にはほとけの微笑あしび咲く  飯野定子