猿板

遊山黒子衆SARUの記録

朴の家の遊山2013 起

モルゲンロート

 「染まっちゅう、染まっちゅう」
この日目指す西条市笹ヶ峰
お饅頭のような穏やかな山容が
モルゲンロートに染まっていました。
◆土呂橋を渡る時
 笹ヶ峰丸山荘に向かう
渓谷に架かる古い橋を渡る時は
いつも心が躍る一時でしたが
あの日だけは違っていました。

◆初めて歩く時
 今回は猿板で繋がった友人との遊山。
彼は書き始めからのお付き合いですが
お会いするのはこれが初めてでした。

登りながら語る思い出多い
木々や登山道整備跡に新雪が積もる。

そんな風景に朝日が射し始め
道は自然林に入って行きました。

◆帰る場所
 落葉した枝一つ一つに
霧氷と雪を纏う柞の森。



澄み切った冬の空気に
降り注ぐ日差しを雪が受け止め
木々のシルエットを浮かび上げる。



「今日の空気は青色やね」
 そうやね。
雪が空の色を映しているんだね。



そんな静寂の森を抜け
私たちの思い出の地に至ります。



                             雪降れり時間の束の降るごとく  石田波郷