「染まっちゅう、染まっちゅう」
この日目指す西条市笹ヶ峰の
お饅頭のような穏やかな山容が
モルゲンロートに染まっていました。
◆土呂橋を渡る時
笹ヶ峰丸山荘に向かう
渓谷に架かる古い橋を渡る時は
いつも心が躍る一時でしたが
あの日だけは違っていました。
◆初めて歩く時
今回は猿板で繋がった友人との遊山。
彼は書き始めからのお付き合いですが
お会いするのはこれが初めてでした。
登りながら語る思い出多い
木々や登山道整備跡に新雪が積もる。
そんな風景に朝日が射し始め
道は自然林に入って行きました。
◆帰る場所
落葉した枝一つ一つに
霧氷と雪を纏う柞の森。
澄み切った冬の空気に
降り注ぐ日差しを雪が受け止め
木々のシルエットを浮かび上げる。
「今日の空気は青色やね」
そうやね。
雪が空の色を映しているんだね。
雪降れり時間の束の降るごとく 石田波郷