猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の三嶺一人遊山 単独行

静かな時

 私の愛する四国の山は
紅葉を過ぎ森が冬眠に入れば
静寂の時が訪れます。
◆風の道
 雨上がりの澄んだ風が
谷間から吹き上がり汗を拭う。
この頃の山は稜線が気持ち良い。

哲学の道
 三嶺を臨むカヤハゲの頂で
背負ってきた荷を降ろし
お湯を沸かし昼食を摂る一時。

単独行ならではの静寂の時は
考え事をするには良い時間です。
そういえば「哲学者は森に還る」って
誰かが言っていたような気がします。

◆頂へ続く道
 冬景色になった稜線を進み
天狗岩がいらっしゃいと語りかけ
三嶺への最後の登りに差し掛かる。

この先は人が住むことが出来ない
山神さまの領域となります。

頂に向い吹き上がる秋の風と共に
私はもうすぐそこに辿り着く。

                          もういちど吹いてたしかに秋の風   仁平勝