痩せた土壌でも生きていけるが
他の木々との競争に弱い桜は
公園や墓地などの人が関わる環境では
長く生き続けることが出来ます。
◆西村大師堂のしだれ桜
土佐街道を見下ろす中津明神山の山麓
中津集落西村にある「大師堂のしだれ桜」。
樹齢約230年幹樹高7.5mのエドヒガンは
西村大師堂が開かれた時に
山にあったものを植えたと言われています。
地上2mで幹が3つに分岐する特徴のある姿は
近年樹勢がやや衰えて居ると言われていますが
その妖艶な姿は訪れる人々を魅了し続けています。
◆中越家のしだれ桜
代々秋葉神社の宮司を務めた中越家当主は
この桜の満開に「桜衣姿」(さくらごろも)を纏い
正座で向かい合ったと言われています。
一本の枝も切らない家訓により
中越家と共に生きてた桜の姿は
俳人黒田杏子さんの心を打ち
27年歩んだ日本桜花巡礼を満行としました。
日本中の桜を巡ってきた俳人が
この辺境土佐の山間にある老木を
これ以上の桜はないとしてくれたことが
有り難くまた誇りに感じます。
身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな 黒田杏子