なすび平での最後の宴。
でも和宏さんの口福は
私の心に日溜まりをくれました。
◆生きていくこと
飯盒飯は本当に美味しい。
そして体の芯から心まで暖めてくれる。
鹿だって米を作ってくれる里人だって
生きるために食べなくてはならない。
◆名残の宴
お腹が満たされてお酒が心をほぐし
周りの風景が深く見えはじめた。
そこには木々の目覚めがあり
若葉が春の日差しに輝いていた。
たとえ人がその知恵を尽くして
どんなに自然破壊を続けようとも
自然は人に何をするわけでもなく
その結果が現れているだけなのだ。
◆春は来る。必ず来る。
四季がある日本の風景を
私は世界一美しいと思う。
その変化の中に身を置くとき
この上ない幸せを感じる。
今、私の目の前にある変化は
決して自然現象なんかではない。
でもこの変化が自然であれ不自然であれ
同じ場所に通い続けて見えてきた風景。
私はこれからも変化の中に通い身を置き
この若葉たちの様に手を合わせ
記録し続けるしかないのだろう。
ことごとく合掌のさま名草の芽 鷹羽狩行