猿板

遊山黒子衆SARUの記録

tochikoな山歩き 栃の木が結んでくれたもの

kurokoshusaru2006-06-15

 奥物部に通いはじめて、
最上流域の久保の影という集落で、
大きな栃の木を見つけました。
月曜日にブログで紹介した栃です。
 その木は県道の反対側、
韮生川を隔てた場所にありますが、
生き生きとした姿が力強く、
通るたびに気になる存在でした。
しかしその栃を間近で見るためには、
手前の民家の庭先を横切らなければなりません。

 ある日意を決し、その民家に声を掛けてみたところ、
「よう来てくれた、ありがとう!」
「あの木が好きかねぇ、いつでも見に来てよ」と、
そこに一人暮らしていたおばあちゃんの思わぬ歓迎を受けてしまいました。
その上、庭の畑でできた野菜をいただいたり、
お茶をごちそうになって、縁側で長話をしたり、
栃の木の縁でいつのまにか、
西熊の森に行くときは必ず立ち寄る居場所になっていました。

 特に河童は、おばあちゃん子だったもので、
お気に入りの場所になったようです(笑)
そんな交流は数年続いたのですが、
そのおばあちゃんも、今は街の娘さんのところに出られ、
親子で仲良く暮らしているそうです。

 さて!この週末は花はどうかな?
久しぶりに訪れてみると、
おばあちゃんの庭の畑は、
よく手入れされており、
おばあちゃんは、時々帰っている様です!

 この木は、ケヤキ平の栃ほど大きくありませんが、
ほぼ垂直に川に向かって見事な枝を広げ、
それを支える根は、近年の幾度かの土石流で、
痛々しい傷を残しながらもしっかりと幹を支えています。
そして足もとの河原の石の上には、
もう枯れてしまった、花の残骸が絨毯のように落ちて、
花はとうに終わっていましたが、
秋に向かって実を沢山つけており、
おばあちゃんの元気な便りを感じて、
実りはあったように思いました。


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