款冬華 ふきのはなさく
七十二候では
厳しい寒さのなか、凍った地面に
春を告げる蕗が黄色いつぼみをのぞかせる頃
高知市から南に
東西に延びる南嶺を目指しました。
丘のような皿ヶ峰からは
先週歩いた御在所山がよく見てとれます。
古くから
人との往来があった道は
石積みの跡や竹藪も多くよく踏まれた歩きやすい道が続きます。
足元には秋に花咲くツワブキが
美しい綿毛で次世代をつないでいました。
太平洋を望む山までは
市街地と浦戸湾を眺めながら歩く里の道
街は
海に開けているようで
実は南嶺に守られている事がわかります。
頂上からはいつもの太平洋
少し鉛色の雲が次の寒さを教えてくれているよう
そして枝先に留まったヤマガラは
登ってきた人と会話しているようでした。
菜の花といふ平凡を愛しけり 富安風生