猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小屋開けの剣山遊山 春の空

                                         

 「気持ちえぇなぁ」

 山麓から風が吹き上がり
剣山から遠く続く山並を望む。

 雨上がりはいいものですね。

◆山を観ること

 いま新緑は1400m位でしょうか。

「そうじゃな今年は
   雪解けが早かったけんな」

      その年々ですね。

◆腰下ろすこと
 剣山山頂直下に聳え立つ
「御塔石」を祀る大剱神社で
山神様は深く頭を垂れられた。

 これも日本の原風景。

                                                   

 今は山を下りられた奥さんとのこと
山守で辛かったこと嬉しかったことなど
お話一つ一つが僕らの山歩きだけでなく
人生の肥やしになるような気がします。

◆向かうこと

 「さて 行こうかな」

 日本以外の国は善悪を示す
エスムハンマド、お釈迦様など
教祖の教えを信じる信教を必要とした。

                 

しかし自然環境に恵まれた日本人だけは
神とした自然から善悪を学ぶ事が出来た故に
信じることが人それぞれになってしまって
同民族での「議論」や「争い」も生じた。

 「ダケカンバの
    芽が膨らみゆう!」

       「そうじゃなぁ」

                 

◆継ぐこと

 「鶴岩と亀岩は教えたかな」

 剣山は石灰層にあり高く残り
御塔石など珍しい形の岩がある。

 以前教わりましたね。

 「ここが真っ先に紅葉するな」

 山神様は風景の一つ一つ
確かめる様にゆっくり登った。

                             

 「私もここが好きです」

 広い笹原に映えますよね。

「今日はキャンセルが多てなぁ」

 明日の天気でしょうね。

 ダケカンバ森を抜け
山頂直下の雲海荘が現れた。

                   春天を降り立つごとし爺杉  平井照敏