猿板

遊山黒子衆SARUの記録

秋分に入る伊予国遊山 朝霧

                                                 

 昼間は暑さを感じる体感になり
台風の接近で雲が多くにわか雨も想定。
四国は頭部ほど不安定になりそうで
ザッと強まり雷を伴うかもしれない。

◆空を観る
 寒暖押し合うこの頃は荒天が多く
前線付近では注意を要し台風が加われば
改めて言うまでもないことだろう。

二つの季節が渦という形でせめぎ合う。
南は夏の渦(熱低)北は初冬の渦(寒冷渦)。
両者に挟まれた日本は秋雨前線が活発化し
目指す山はちょうど境目に位置していた。

                             

仁淀川を遡る

 「昨夜はよぉ降ったね」

Y'sが楽しみしていた愛媛の山へ
仁淀川を溯る山間国道で向かった。

 山は行ってみんと解らんな。

 「奥も降っちゅうね」

先の台風14号の水が引く前に
新たな熱帯低気圧の雨が加わった。

           

 まだ沈下橋は余裕でも
河原は見事に水没している。

 またこれも
   きれいな風景や。

◆山間に入る
 山間国道は旧吾北村に入り
川を挟む山が迫り雨も激しくなった。

 所謂「雲の収束」と言うやつ。

                 

 「まだ濁ってないき」

長年雨に洗われてきた土佐は
山も川も人も大雨には慣れている。

 まあ この頃並やろうな。

◆国境を越える
 本川村を秘境と言わせた
巨大な壁のように聳え立つ
程野の山並を山間国道は登る。

     

標高700m旧本川村に上がった
山間国道は長い国境トンネルで
伊予国西条市に向かって下る。

 「河童さん どうします?」

Y'sは困った顔で待っていた。

 台風接近への備えだろうが
笹ヶ峰への道は塞がれていた。

                     朝霧や山中にある国境  太田寛郎