木々が昨夜の雨粒を纏う。
四国の高山は冬でも雨が降り
この雨が雪に層を形成する。
◆雨上がること
登り口の気温は6℃。
かつて山のお母さんが5℃でも雪が降り
-5℃でも雨が降ると言っていたなぁ。
「雨粒が綺麗なねぁ」
◆雪のこと
いつもの林道沿いの雪は
冬の雨で残雪になっていたが
標高1000m付近はこの様なもので
私が見たいのは1500m以上の雪だった。
「帰りはアイゼンいらんね」
滑り止めの道具も引っかけにより
転倒するなどのリスクを高まるため
状況をきちんと見極める必要がある。
「これタヌキやろうね」
人間は家と衣類、火がないと
日本の冬を越すことが出来ない。
野生とは本当に強いものだと思う。
◆秋色のこと
前回まで樹々に乗っていた
雪が落ちてしまった林道歩きでは
大地や枝に残った枯葉が目に付いた。
大地に残る雪に映える落葉色。
これも雨の後だからこそ
出会うことが出来る風景だろう。
◆氷のこと
そして林道脇に渓水が
流れたい形に凍りついた造形。
先週の鋭い形が雨に洗われ
角が取れたそれぞれの形が楽しい。
「頑張って
繋がっちゅうね」
「つちぐりや!」
雨で流れて来たのだろう。
秋の茸が林道に凍りついていた。
そんな一期一会の林道を
古の峠道に向かって歩いていった。
面白し雪にやならん冬の雨 芭蕉