この夜台風19号は
960hpに弱まったものの
人口が集中する都市部に迫り
多くの雨雲を巻き込んでいた。
◆静かなとき
「今年は天気にやられたわ」
満員だった登山者の予約は
私達含め2組5人だけになった。
自然相手ですからねぇ・・・。
◆ふれ合うとき
「良かったら
一緒に食べませんか」
まだ小屋の外からは
強い風の音が響いていたが
小屋の中には笑顔が溢れていた。
この夜また一つ
この温かい居場所から
温かい思い出を頂いた。
有り難い ありがたい。
◆山神のとき
翌朝風と雨は止み
山小屋は静寂に包まれていた。
山頂を覆っていた雲が開き
アマテラスの光が差しはじめる。
通り過ぎた台風は
大陸の冷たい空気を引き込み
剣山は雲海の中に浮かんでいた。
なんて美しい風景なんだろう。
おはよう。
久しぶりだねぇ。
雲海や一天不壊の碧さあり 大谷碧雲居