中越家の練りを待つ間に
雪がたくさん降り始めた。
それは静かに舞い落ちる牡丹雪。
◆雪の風景
法螺貝の音が響き
長老衆が先頭を切る。
日本は豊かな経験を敬った。
山間部の高齢者は格好いい。
ご神体を揺する
威勢のいい掛け声と共に
屈強な神輿衆が現れる。
キョウサッ
キョウサッ
いよっ! 男前!!
◆練り
トントンチキチ
トンチキチ
お囃子も祭りの彩り。
トントンチキチ
トンチキチ
「噛んでもらった」
無病息災を願う心。
◆鳥毛ひねり
静かに雪が舞う中
鳥毛棒を投げる姿は美しい。
雪は災いももたらすが
この日は美しいものに感じた。
そしてこの風景に出会うため
毎年通っていたかもしれない。
日本人は雪そのものに
20種類以上の呼び名をつけた。
それは常に自然に寄り添って
生きてきた証なのだろう。
美しき生ひ立ちを子に雪降れ降れ 村上喜代子