「ここは人が
住んじょったでねぇ」
御在所山への登りは
廃墟となった民家からはじまる。
◆沢を遡る
山茶花と石塔が迎える
山道は御在所山より出流
かつて里人を養った沢を遡る。
◆山に還る
大正の年号が刻まれた
道標に導かれ山に分け入る。
水と日当たりを求めた
南斜面にある集落跡には
かつて多くの人の暮らしており
子供達の声が響いていたという。
その暮らしの跡も
今は自然に還りつつある。
◆道をたどる
鬱蒼とした杉林に
朝陽が射し始める。
里人がを離れた後に植えられた杉。
その中にも根を張る
雑木の生命力が逞しい。
やがて空が開け
お祭りが行われていた
土俵がある峠に登る。
山茶花や雀顔出す花の中 青蘿