猿板

遊山黒子衆SARUの記録

天辺で月を見る遊山 五月の風

はぐれ雲

 真澄の空に浮かぶはぐれ雲が
気持ちよさそうに流れている。
稜線は5月の風の中にありました。
◆稜線に出る
 目指す三嶺が現れる。
今日はこの稜線を歩きたくて
通い慣れた山道をやってきました。

◆流れ出した森
 ここ数年、稜線の至るところで
水が澱んだ池を見かけ始めました。

                   
それは稜線に追いやられた鹿に
笹と草を食べ尽くされた森が
吸水力を無くしているだけの事。

やがて大地となれない土壌は
雨が降る度に流れ始めるのでしょう。

◆人の関わりのこと
 いま人は鹿に銃口を向けていますが
それは徹底的に自然林を伐採した植林から
ここに追いやられた結果に過ぎない。

また人は風力発電と称するもので
命の風を森から奪おうとしている。
雪の重さになぎ倒された防鹿ネットに
そんな人の知恵の限界を感じます。

でも目の前の森は微笑んでいました。
 やがて辿り着いた休日の三嶺の頂は
今日も大勢の登山客で賑わっています。

                                   わがつけし傷に樹脂噴く五月来ぬ  木下夕爾