猿板

遊山黒子衆SARUの記録

和宏花巡礼「東赤石山」 赤い山のこと

マントルの石

 東赤石山を形成するカンラン岩は
マントルを構成する深成岩の一種で
比重が大きく地表まで上昇するのは
大変稀れなことだと言われています。
◆赤太郎と呼ばれる山
 カンラン岩が赤褐色に酸化した
四国では珍しい岩稜が「赤石」の由来で
東赤石山は特に赤い頂が高く聳え
かつて「赤太郎」と呼ばれていました。

◆花の名山に数えられる山
 この自然の営みによる特異な地質と
人による鉱山開発による植生の破壊は
他の競争相手を廃する結果となり
四国でもまれな植生を生み出しました。

 オオヤマレンゲ                     ユキワリソウ

 コウスユキソウ                     イヨノミツバイワガサ
◆回復する山
 たとえば里山の段々畑だって
一度自然を破壊してもまた全てを委ね
そこに発生した新たな生態系で恵みを得た
先人が経験から産んだ知恵の賜だと思います。

街にだってアスファルトを割って野草が生える。
人の想いで「自然破壊」だけに目くじら立てず
地球に生きていれば自然があるから大丈夫って
この山は教えてくれている様に感じました。

◆高嶺の花のこと
「咲いちゅう。咲いちゅう!」
この山で和宏さん達が求めていた花は
今年も可憐な開花を見せてくれました。

本州中部や四国の高山や亜高山帯の
日当たりのよいところに生える落葉低木は
バラ科に属し美しい花を咲かせますが
トゲは持たない優しい高嶺の花でした。
  夏山や雲湧いて石横たはる  正岡子規