宿のご主人との話を楽しみ
野鳥に遊んでもらってるうちに
見ノ越の雨は小降りになってきた。
◆分け入る
陽が昇ると雨が落ち着く事があり
この雲なら午前中土砂降りはないだろう。
さあ そろそろ出発しようか。
「蜂も飛びはじめたね」
ツリフネソウ科の一年草。
晩夏に花序を出し
赤紫色の美花を細い花柄の先に垂らす。
筒形の花冠の後端は先が反曲して巻き舟に似る。
◆未知なるもの
民宿に来る野鳥もそうだが
草花も周りを見て脳以外で
記憶している様に思う。
それは人が認識出来る五感でななく
まだ人が知らない何かで見て感じ
記憶し互いに意思のようなものを
伝え合っているように感じる。
たとえば人間の遺伝子情報が
100あると発現するのは5か7ぐらいで
あとは何をしているか解っていない。
だから未知の残り90以上の
遺伝子情報には科学的にも
ロマンがあるのはないか。
◆源流へ
剣山より出流
祖谷川の源流地点に到る。
一本しようや。
「冷たぁ~い!!」
手のひらで水を受けると
暑くなった身体が冷めてくる。
「鳥兜も咲いたねぇ」
先回つぼみだったよなぁ。
水辺の命も秋の訪れを告げている。
妄想の草深ければ鳥兜 清水径子