猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬将軍を迎えること =承=

ミヤマシキミ

 真冬のモノトーンの世界に
ミヤマシキミの緑が冴える。
それは色彩の乏しい冬に咲く
花の様にも見えました。
◆白と黒の世界
 全ての色と音を奪う雪。
その静寂に美を見た日本人の遺伝子が
私達をここに導くように感じます。

◆森に生きるもの
 森の奥に鹿の足跡が続いていました。
鹿もリスも狸もみな身体一つで
この厳しい環境で生きている。
                 
自然界であっても一晩生き延びる為に
これほど沢山の道具を必要とする人間が
私は高等動物だとは思えません。

◆眠る柞
 柞(ははそ)の森は母の守。
「ちちの実の 父の命 ははそ葉の 母の命」
                 大伴家持

ブナのドングリが大木になる確率は
一億個に一個と言われています。

適した場所に根を降ろすことが出来た木々は
それぞれの役割を果たしながら助け合い
この森を造り生きるものの命を養っている。
                   
寒風を耐え冬を眠る大木達の元に
25年通いそれを教わった気がします。

                          寒風に吹きしぼらるる思ひかな  星野立子