猿板

遊山黒子衆SARUの記録

ヌル谷のナロ

ヌル谷のナロ

私は10年以上前から、高知県物部村にある「奥物部の森」に通っています。
 実は高知県の植林率は90%を超え、
日本で一番自然林の少ない県なんですが、
ここには比較的広い自然林が残っており、
今では絶滅寸前のツキノワグマの住みかでもあります。
 そこで正にツキノワグマと出会ったことがきっかけとなり、
それ以来毎月一度は必ず足を運んでいます。
 その中でも、もっとも居心地の良い「ヌル谷のナロ」別名「さおりヶ原」は、

私の山の住みかだとも思っています。
 四国の山は急峻な斜面が多いのですが、
ここは広い平坦地になっており、サンショウウオの棲む小川風の沢が流れ、
サワグルミやカツラの巨木が立ち並び、正に深山幽谷の趣のある良い森です。
 山の恵みのキノコもたくさん生え、食欲も満たしてくれます。
この森に抱かれ、焚き火を熾し、米を炊き、きのこをアテに酒を呑む・・。
私にとって「幸せとはこのことだ!」と実感できる一時なのです。