猿板

遊山黒子衆SARUの記録

立春の塔ノ丸遊山 春の光

                                         

 「気持ちがえいねぇ」

 風も穏やかな稜線は春光に照らされ
見渡す高峰はみな新しい雪を纏っていた。

 今期最高の雪と言っていいだろうなぁ。

◆山頂部に立つ

 「太郎も次郎も
    人が多いでしょうな」

 今日山に入った人は
みんな幸せだと思うなぁ。

 最も寒いときに立春を置いた。
それは「極まれば兆す」の想い
「寒さ極まり春兆す」を見据えた
日本人らしい自然観だと思う。

◆モンスターの山
 四国山地北の前衛峰となる
塔ノ丸は東西に長い稜線を張り
北風をまともに受けるため
冬型気圧配置で風雪が強くなる。

                 

 その独特な地理的条件を持つ
塔ノ丸はスノーモンスターが
現れる四国では数少ない山。

                   = 2014年2月23日撮影 =

                             

 今日は会えなかったけど
奥物部の様子が解りましたよ。

 「ここでいいですか?」

    私もそう思います (^_^)

                                           

◆かえり道
ろくべえさんは山歩きを禅の様だと言い
自らの山歩きを「歩禅」と名付けた。
自然の原理を解明する科学物理も同じで
見誤っていたら実証出来ず淘汰される。

 枯れた景色でも無の心で見る。

いま頭にあることで観ても見えないから
善し悪しでなく我でも己でない心で観る。
それが出来る人と山に分け入り学びたい。

                       

今の自分が正しいと信じればそこまでだから
間違っていると確信して山を歩き感じた方が
自然の真理に迫り絡合に近づけるかもしれない。
これからも私は遊山の心で歩禅の道を歩きたい。

「河童さん
   また遊んで下さい」

 もちろんですよ。
次はどこにいきましょうか。

                             

うれしさは春の光を手に掬ひ  野見山朱鳥