「ウサギは偉いね」
安全なルートを選んでいる。
山の動物は雪が沢山降っても
大地が見えている様な気がする。
◆春は雪崩
雪崩が起きそうな箇所をさけ
積雪が浅そうなところを直登した。
これからこの積雪も弱層となり
雪崩が発生しやすい時期となる。
ここまでくれば
ひと安心かな。
“斜面と雪があれば必ず起こる”
冬は取り越し苦労で丁度いい。
◆稜に登る
上部の斜面がなだらかになっても
最後まで気を抜かずダケカンバ帯を
追って静かに稜線を目指し登った。
「稜線は穏やかそうなね」
「次郎笈も見えましたね」
太郎と次郎の兄弟峰が並んだ。
この景色も久しぶりですね。
◆空に出る
「なかなか
厳しい雪でした」
阿波志に「塩無山、菅生名（集落）にあり。
山上平広なり。池あり見残と称す」と記し
現在の塔ノ丸頂上から夫婦池までの4kmに及ぶ
山塊を塩無山（しおなしやま）と呼ばれていた。
◆稜線を歩く
そうですね。
ショートカットは急ですからね。
しかしここから山頂まで一面の笹原で
雪が乗れば雪舟にはいい雪原となる。
「もう少し
先まで歩きましょうや」
そうですね。
穏やかで気持ちいいし。
ここで帰ったら
難行苦行だけですものね (^_^)
あたたかき雪がふるふる兎の目 上田五千石
