猿板

遊山黒子衆SARUの記録

寂びの森遊山 樹のこと

聖域へ

 猟師Kさん歯医者さんと目指した
剣山の南にあり訪れる人も少ない
標高1,653mの不入山(いらずやま)は
この日深い霧に覆われていました。
◆聖域であること
 「ここは巨木の楽園よ」
剣山トンネルの登山口から
不入山頂まで続く約5kmの山道は
正に巨木たちの聖域でした。

◆染めること
 この日標高1,400m前後にある
ブナたちの森は黄葉の盛りを迎え



空に向かって広げた無数の葉っぱで
風景を黄金色に染めていました。




                       
◆奇跡であること
 樹木の美しさは紅葉だけでなく
その長い風雪を刻んだ樹形にも
「美」はあると感じています。

好む場に根を張ることが出来た
万に一つ億に一つの奇跡を喜ぶが如く
天に向かって大きく枝を広げた姿が
シルエットとなり霧に浮かび上がる。
                        


「河童ちゃん。これも撮しちゃってやぁ」
三人とも同じ事を感じている様ですね(笑)



 「この木が一番大きいがよ」



 これを奇跡と言わずして
なにが奇跡なのだろうか。



                                    霧の道現れ来るを行くばかり  松本たかし