猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬将軍を迎えること =結=

朝の庵

 登りの疲れか山に護られたお陰か
風の影響も受けなかったテントの中で
朝までぐっすり眠ることが出来ましが
外は更に50cmほど積雪が増えていました。
◆温めてくれるもの
 私達の山の朝はいつも「おじや」。
外気温−15度の極寒の朝でも
足先までぽかぽか温めてくれます。
 日本人は御飯が一番ですね!

◆人には厳しいもの
 今回の寒波のもたらせた雪は凄かった。
古い峠道を下る韮生越えルートは
ここでは経験したことがない積雪量。

通い慣れ樹木と地形で道を覚えている経験と
道具を駆使してもたびたび道を見失う・・・。
久しぶりに「遭難」を意識してしまいました。
雪山を侮って初心を忘れていたようでこれは反省ですね。

◆強くてやさしいもの
 この強い風雪の中にあっても
ここで生まれたもの達は他に行き場もなく
ここで冬を越えなくてはならない。

しかしこの森は人に切り払われようが
その身を食い尽くされようとも
最後まで黙って微笑み全てを護ってくれる。

雪が降り続く林道から見た森は
生けるもの全てのお母さんの様に思え
改めて美しく感じた風景でした。

◆ありがたいもの
 無事登山口で雪に埋もれ待つ
相棒の元に帰って来ることが出来ました。
 「ただいま。」

 山の居場所から行きつけの場所へ。
峠の食堂の昼飯といつもの温泉が
確かに生きている喜びを感じさせてくれました。
「生きているだけでありがたい。ありがたい。」

                            限りなく降る雪何をもたらすや  西東三鬼