猿板

遊山黒子衆SARUの記録

晩酌遊山冬のカヤハゲ 想う

晩酌

 空気をたくさん含む雪は
吸音材となり音を奪う。
私は冬の静寂の中に居ます。
◆目覚めの時
 静寂の中で五感は冴え
風や雪など山の様々な事が伝わり
ここの全てが生きてていることを
全身で感じ始めました。

◆原郷の記憶
 人はそもそも森に住んでいたと言う。
そこでは風や木々そして他の生き物を感じ
自然と共に生きていたと思う。

森の中で自らの役割を果たし
上手に寄生して生きながらえた。
その「調和する心」こそが
人の「本能」であると考えます。

◆人の社会
 でも人は「社会」という箱を作り
自然から自らを隔離して暮らしはじめ
その箱の中では自己の維持だけが大切になり
「本能」より「欲」が重きを持つ様になった。

「本能」から離れた「欲」が優先する社会が
どうなっているかは私がここに書くまでもなく
日々マスメディアなどでご存じの通りだと思います。

◆忘れたくないこと
 森は「調和」の中にあり単体で生きるものは何一つない。
まして人の手に頼っているものはいない。
全てが「競争」ではなく「共生」してる。

私は大切な「本能」を忘れたくないから
今年も森に通い続けると思います。
愛する仲間と共に。ただひたすら。
   大空に伸び傾ける冬木かな  高浜虚子