猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2008夏の終わりに 水のこと

烏瓜

 多雨であるはずの高知に雨は少なく
香川、徳島の水瓶「早明浦ダム」は
利水容量がゼロとなり
深刻な水不足に陥っています。
◆緑のダム
 物部の森に向かう道すがら
韮生川に沿う山間集落の棚田は
金色の収穫の時を迎えていました。
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 田に水を張る稲作は
他の草が生える事を防ぐだけでなく
天候に左右されづらい「人の知恵」
そして水を蓄える森の「恵み」でしょう。

◆懐に向かう
 今回物部の森に秋の始まりを求めて
久しぶりに稜線に上がろうと思います。
三嶺登山口から八丁分岐を西熊山に向かい
旧営林署の人工林を抜ければ自然林に帰ります。

◆好きな場所
 自然林の軟らかい空気に包まれ
道はカンカケ谷の沢に出会い
いつもの河原で腰を下ろしました。

 豊かなブナの森を持つこの山域は
絶えることなく澄んだ水が流れ

それは人工のダムや植林では真似できない
「緑のダム」と呼ばれる自然の保水力。
また入山者の少ない四国の山は
どこの水でも飲むことが出来ます。

◆森に生きるもの
 単調で変化の少ない人工林と比べ
足下は賑やかになり
この植生が造る深い土壌こそ
豊かな保水力の源です。

 その森の草木や分解者達は
確実に秋に向かっていました。
  ヌメリツバタケモドキ
 
         ハガクレツリブネソウ        ミツバテンナンショウ
 やがて沢は小さな流れとなり
源に座る大きな桂に出会います。
ここから始まる稜線に向う急登に備え
根元で休む私たちを
森の長老は抱きしめてくれました。
  ただいま帰りました。