猿板

遊山黒子衆SARUの記録

再会の遊山 承

準備

◆冬眠
 Y氏は当時笹ヶ峰の頂上部にあった
自ら設計した電力通信用反射板の氷の付着を、
テントに泊まり込み観測していた。
その期間は約40日間におよび、
彼が冬眠と呼ぶその観測は1991年から始まり、
当時丸山荘のお手伝いをしていた私は、
そんな彼と知り合いました。

 厳冬の高山で長期滞在する
彼の冬眠には様々な技術と知恵があり、
彼が汗を流しに小屋に降りてきたり、
私も小屋の仕事の合間にテントを訪ねたりしながら、
彼の持つ技術や自然に対する姿勢を学んでいました。

◆向かう
 登山口で医者らしく魔王のストレッチ指導が入ります(笑)
登り初めは植林帯のきつい葛籠折れが続きます。
私にとってはかつて整備に関わった懐かしい道。
この道を何百回往復しただろう?
石ころ一つにも思い出が刻まれています。

◆宿
 植林の登りは宿と呼ばれる平坦地に至ります。
かつて笹ヶ峰一帯は住友銅山の精錬に炭を供給する山で、
ここには炭運搬用の馬が常に100頭待機していたと言われます。

 そんな宿は人との関わりの境でもあり、
ここから自然林が始まり、
自然条件が変わる変化点でもあります。

◆丸山荘
 森は灰色の空に枝を広げ
懐かしい木々は「久しぶりだね」と
声をかけてくれているようでした。

 そんな木々のトンネルをくぐり、
やがて山小屋「丸山荘」に至ります。

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